不動産投資を検討する上で、「利回り」が一つの指標になっている方も多いかと思います。
他の投資商品と同じように、不動産投資でも利回りが高い方がリターンも大きくなるため、魅力的に見えます。それでは、実際に利回りが高い方が優良物件と言えるのか、利回りの高い低いは、どこでその差が生まれるのか、リスクや注意点についてまとめてみました。(あくまで筆者の個人的な見解も含みますので、予めご了承ください。)

【立地の差】

立地で比較すると、一般的に都心部の物件ほど、物件価格が高いため、利回りは低くなり、地方の物件ほど価格が安く利回りは高くなる傾向にあります。ここでポイントになるのは、なぜ都心部は価格が高く、地方は価格が安いのかです。答えはシンプルです。都心部は人気があるから価格が高くなるのです。みんなが欲しいと思う物件は買いたいと思う人が多いため価格が下がりにくい傾向にあります。逆に地方の物件は、人気がないから価格を安くしないと売れないという側面があると言えます。もっと掘り下げて、「需要と供給のバランス」を考えてみましょう。都心部は土地が少なく人口も多い為、少ない供給に対して賃貸需要が高いため、空室リスクが低く、入居率が高い傾向がありますが、地方は人口が少なく、土地が多くライバルとなるアパートや物件が多いため、供給過多に対して賃貸需要が低いため空室になりやすく、賃貸付けに苦労する可能性があります。

【築年数の差】

築年数で比較すると、一般的に新築や築浅物件ほど利回りは低くなり、築年数が古い物件ほど利回りは高くなる傾向にあります。同じ立地条件であれば、新築と中古では新築の方が高価格になりますので、利回りは低くなる傾向にあります。

【リスクの差】

一般的に都心部の物件は、利回りは低いが、その反面リスクが低く安定性に優れていると言えます。一方、地方の物件は、利回りは高いが、リスクが大きいと言えます。空室リスクや築年数の経過による修繕費の発生等、支出が多く発生するリスクがあると言えます。

【利回りの変化に注意が必要】

購入時点では利回りが高くても、そのまま維持できるとは限りません。
新築、中古同様ですが、築年数が経過すると入居ニーズが減少する傾向があります。空室を避けるために、家賃を下げざるを得ない場合、その分収支が悪くなり利回りが低下する可能性があります。

【家賃設定が相場よりも高く設定されている場合がある】

物件によっては、利回りを高く見せるために、駅から遠く周辺の利便性が悪いにも関わらず、家賃が高く設定されている場合があります。想定していた家賃収入が得られず、一見すると魅力的に見える高利回り物件でもリスクが潜んでいることを理解しておく必要があります。

【修繕積立金などの管理費が低く設定されている場合がある】

家賃と同じように、利回りを高く見せるために、管理費が低く設定されている物件もあります。支出が抑えられるため月々のキャッシュフローは良くなりますが、購入後に修繕が必要になった際に、十分な積立金が貯まっていないと、想定外の大きな出費が生じてしまう場合があるため注意が必要です。

【利回りだけで判断しない】

前述の通り、利回りの高い物件は、一見すると魅力的に感じられるかと思いますが、そこには見えないリスクが潜んでいる可能性もあります。築年数や利回りだけに目を向けるのではなく、実際に部屋や共用部分を確認(賃貸中の場合は、写真で確認)し、管理状態の良し悪しを見極めて選定することが大切です。

【誰にでも当てはまる目安にすべき利回りの基準はない】

不動産投資には、新築、中古、区分、アパート等、様々な種類があり、検討される方の目的やリスク許容度などによって、理想とする利回りや利回りの最低ラインは異なります。ただ、ひとつ言えるのは、不動産投資において高い利回りを狙うのであれば、高いリスクを受け入れなければならないという点を覚えておく必要があります。

下記に「投資目的」と「リスク許容度」と理想の利回りの関係をまとめました。

■ミドルリスク

投資目的(例):老後の資産形成、手間を掛けずに無理のない範囲で投資がしたい
理想の利回り:3~4%

■ハイリスク

投資目的:大家を本業にして大きな利益を得たい
理想の利回り:8%~

【まとめ】

自分自身の投資目的やリスク許容度を把握し、それに見合った投資物件を選ぶことが大切です。目先の利回りの高さにとらわれずに、安定性やリスク面をしっかりと理解して検討することが重要な点かと思います。

私どもクレアスパートナーズでは、都心立地の中古物件を多数取り扱っており、リスクが低く安定した利回りが見込めるご提案をしております。本業がお忙しい方でも賃貸管理・建物管理のトータルサポートの体制が整っております。ご興味頂けた方は、是非お問い合わせください。その他、ご所有物件のご売却等のご相談も承っております。