アパートと区分マンションの比較
ようやく秋の涼しさを感じられる季節になってきましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
さて、今回はアパートと区分マンションの比較についてまとめてみました。
アパート | 区分マンション | |
---|---|---|
①価格 | 〇 | |
②利回り | 〇 | |
③立地 | 〇 | |
④キャッシュフロー | 〇 | |
⑤空室リスクへの耐久力 | 〇 | |
⑥初期費用・ランニングコスト | 〇 | |
⑦相続時の分けやすさ | 〇 | |
⑧流動性 | 〇 | |
⑨リスク分散 | 〇 | |
⑩災害リスク | 〇 | |
⑪賃貸システムの自由度 | 〇 |
①価格
区分マンションを経営する場合は1つの部屋を購入するだけですが、アパート経営は、土地と建物併せて購入する為、価格はかなり大きくなります。
②利回り
マンションとアパートを比較すると、一般的に想定できる利回りとしては、アパートで5~7%、区分マンションで3~5%とされています。
③立地
マンションは、都心部(山手線内側や主要駅へ好アクセス)や駅から近い場所に建てられることが多く、アパートは郊外(都心部から外れた)で駅から15分圏内に建てられることが多い。
④キャッシュフロー
区分マンションは、フルローンで持った場合、月々の収支(家賃から返済等を差し引いた金額)は持ち出しになることが大半ですが、アパートの場合は、部屋数が多く1戸あたりの家賃は安くても、トータルの家賃収入が多くなる為、プラス収支になりやすい。また、アパートの方が金融機関のローン融資を受けやすく、ローン年数が長い為、返済額を抑えられることもプラス収支になる要因と言えます。注意点として、アパートは、長期的な修繕費用を積み立てていない為、10年~15年後に外壁工事等に約200万円を想定する必要があります。
⑤空室リスクへの耐久力
区分マンションとアパートでは、空室リスクにも違いがあります。区分マンションの場合は、入居者がいれば稼働率100%になりますが、誰も入居していなければ0%になってしまいます。アパートであれば、一気に複数の部屋を保有することが出来ます。空室が出た場合の損失の割合は、区分マンションよりも小さくなると言えます。
⑥初期費用・ランニングコスト
区分マンションは、マンションの1室を購入するだけで投資を始められますが、アパートは、土地の購入からアパート1棟を建築するため多くの費用が掛かります。不動産取得税(初年度のみ)についても、アパートは100万円以上掛かる場合がありますが、区分マンションの場合は、約20万円前後になります。
区分マンションの場合は、マンション全体の維持管理費用が毎月徴収されますが、アパートの場合は、「長期的な修繕(外壁等)」の費用を自分で捻出しなければなりません。租税公課として、固定資産税や都市計画税(毎年)が挙げられますが、区分マンションに比べてアパートでは、固定資産税も高くなります。
⑦相続時の分けやすさ
アパートは、相続の際に分けられずに争いの素になる可能性があります。区分マンションを複数戸持てば、相続人に分けやすく、換金もしやすい。
⑧流動性
アパートは、買える人が少なく売却がしにくいですが、区分マンションは買える人が多く売却がしやすいと言えます。要因として、アパートは金額が大きくなる分、簡単に買い手を見つけることが難しいですが、区分マンションは、特に都心立地の場合、非常に流動性が高くなり、売却先が早く見つかる為、売りやすい特徴があります。
⑨リスク分散
アパート経営の場合、万が一地震や台風などの被害を受けた場合、所有する資産全てが一気に損失してしまう可能性があります。災害だけでなく、火事や自殺等で事故物件となってしまった場合も同様に一棟全体が影響を受ける可能性があります。その反面、区分マンションは、複数戸所有して立地を分けてリスク分散することが可能となります。
⑩災害リスク(木造・鉄筋コンクリート)
木造のアパートは、マンションのRC(鉄筋コンクリート)造に比べて、火災や地震などの災害で大きなダメージを受けやすいリスクがあります。万一、火災がおきると全焼する恐れがあります。また、木造はコストが安い、火災の時に倒壊しづらい等のメリットがある反面、遮音性が低い、シロアリや腐食に対しての対策が必要等のデメリットがあります。RC造のデメリットとしては、建築費が高いこと、結露やカビが発生しやすいこと、増改築が難しい等が挙げられます。
⑪賃貸システムの自由度
アパート経営は、基本的にサブリース(家賃保証)の選択になりますが、区分マンションは、サブリースの他に集金代行システム(空室時の家賃保証がない)の選択も可能となります。サブリースは、手数料が高い為、家賃収入が目減りしてしまいます。その為、空室リスクの心配が要らない立地であれば、あえてサブリースを選択する必要はありません。その方が手取りの家賃収入が増える為、オーナー様にとっては収益力を上げることに繋がります。例えば、家賃保証で5万円の家賃でも、実際は6万円で貸せている等があり、実際の家賃より手取りが減る結果になってしまいます。
【総括】
アパート経営、区分マンションともメリットがあればリスクもあります。その中で、リスクや将来的な負担等も考慮に入れて、その上で魅力的と感じる方を選択することが大事ではないでしょうか。目先の収支(キャッシュフロー)にとらわれず、自分自身が住みたいと思える立地や物件なのか、子供を住まわせても良いと思えるか等、投資でも住まい目線で考える視野を持ち合わせることが大切です。また、出口戦略として、売却のしやすさも、考慮してご検討頂く必要があるかと思います。ご相談等がありましたら、まずは私どもクレアスパートナーズにお気軽にお声掛けください。